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●特許請求の範囲(とっきょせいきゅうのはんい)Claims−特許関係−

 ”特許請求の範囲”とは、出願の際に提出する書面の一つであり、特許として権利を請求する技術的な範囲を記載した書面をいう。特許請求の範囲には、特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない(特許法36条5項)。たとえば、消しゴム付き鉛筆の発明を出願する場合、特許請求の範囲の請求項には次のように記載する。(ここでは、説明の都合上、世界で初めて消しゴム付き鉛筆のアイディアを考えたと仮定する)


(a)筆記を行うための本体、
(b)本体の後端部に設けられ、本体による筆記を消去する消しゴム、
(c)を備えた鉛筆。

 権利範囲(特許発明の技術的範囲)に入るかどうかは、請求項に記載された構成要件(上記の(a)(b)(c))の全てを備えているかどうかによって判断される。この出願が特許された場合には、上記のような消しゴム付き鉛筆を他人が製造や販売をすると、特許権侵害となる。

 他人が、消しゴムの付いていない鉛筆だけを販売した場合には、構成要素(a)(c)を備えているが構成要素(b)を備えていないので、特許権侵害とならない。

 また、他人が、先端部近傍に消しゴムを付けた鉛筆を製造販売した場合には、「後端部」に該当しないので構成要素(b)を備えておらず、特許権侵害とならない。

 では、他人が、後端部に消しゴムを付けたシャープペンシルを製造・販売した場合はどうであろうか。一般に、シャープペンシルは鉛筆の概念に入らない。したがって、この場合にも、構成要件(c)を備えておらず、原則的には特許権侵害とならない(ただし均等論も参照のこと)。

 上記のようなシャープペンシルを権利範囲としたいのであれば、特許請求の範囲は次のように記載すればよい。


(a)筆記を行うための本体、
(b)本体の後端部に設けられ、本体による筆記を消去する消去部材、
(c)を備えた筆記具。

 このように、特許請求の範囲の記載は、特許権の範囲を定める基礎となるものであるから、重要である。

 なお、明細書に記載していない発明を、特許請求の範囲において権利として請求することはできない(特許法36条6項1号)。世の中に発明を公開した代償として権利を与えるものだから、明細書において説明しなかった発明について特許を与えないのは当然である。

参考「特許公報の読み方」(動画)

(弁理士 古谷栄男)

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