知的財産用語辞典
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●ソフトウエア・エスクロウ

 ”ソフトウエア・エスクロウ”とは、ソフトウエアのライセンスを行う場合に、そのソフトウエアのソースコードや技術情報を第三者(エスクロウ・エージェント)に預託しておく制度である。エスクロウ・エージェントは、ソフトウエアの提供企業(ライセンサー)に倒産などがあった場合、ソースコード等の預託物を、ライセンスを受けている企業(ライセンシー)に開示する。



 上記のようなエスクロウ制度を利用することにより、ライセンスを受けている企業(ライセンシー)には、次のような場合にメリットがある。

・ライセンスを受けていたソフトウエア提供者(ライセンサー)が倒産して、ソフトウエアのメンテナンスができなくなった。そこで、ライセンサーの所有するソースコードや関連ドキュメント類を入手して、自社でメンテナンスを行いたいが、そのソースコードや関連ドキュメントを入手できない状況にある(ライセンサーの行方が不明である、ソースコード等が債権者によって差し押さえられている等)。ライセンスを受ける際に、エスクロウ制度を利用していれば、このような場合にも、エスクロウ・エージェントから、ソースコードや関連ドキュメントを入手することができる。

 また、ライセンサーにとっても、エスクロウ制度の利用により、ライセンシーに対するソフトウエアの安定的な使用権確保をアピールすることができるというメリットがある。

 日本では、(財)ソフトウエア情報センター(SOFTIC)が、エスクロウエージェントとして業務を行っている。

 SOFTICのホームページに、ソフトウエア・エスクロウ制度の詳細が掲載されている。

(弁理士 古谷栄男)

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