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高専の学生が「3次元マウス」について特許を出願  

古谷国際特許事務所ニュースレター128号より
(C)2005.5 FURUTANI PATENT OFFICE



概要


 当事務所の古谷栄男弁理士が非常勤講師を務める釧路工業高等専門学校において、学生の発明による「3次元マウス」が特許出願(特願2005-125077)された。古谷弁理士は、同高専において、知的財産を教えている。授業に対する学生のモチベーションを高めるため、学生一人一人にアイディアを提出させ、それを出願すると仮定して、発明届出書の作成、出願書類の作成、意見書の作成などを行い、具体的に特許制度を理解できるように工夫している。
今回出願されたものは、この授業の中で出てきたアイディアである。以下、同高専のプレスリリースである。



内容


 釧路高専は、授業において学生が発明した簡単な構造の「3次元マウス」を、4月22日に特許出願を完了した。 発明をしたのは、情報工学科5年生(発明当時)の柳堀智紀君である。この「3次元マウス」は、特殊な構造を必要とせず、3次元空間への入力を直感的に行うことができる。従来の3次元マウスは、上下方向にカーソルを移動させるために、特別に設けた機構を傾けるなどの操作を行っていた。しかし、この方法では、カーソルを上下に移動させるために、傾けるという操作が必要であり、ユーザが直感的に操作を行うことが難しかった。
 この発明による「3次元マウス」は、カメラ付き携帯電話に使われているCCD素子を下面に有している。3次元マウスを専用マウスパッドから持ち上げると、撮影される模様の間隔が、高さに比例して小さくなる。この原理を用いて、カーソルを上下に移動させる。このように、3次元マウスを上下に動かすことにより、カーソルも上下に動くので、直感的な入力操作を実現できる。原理は別紙を参照のこと
 釧路高専では、広い視野を持ち、創造力豊かな技術者を育てるという目標を掲げてきた。これに関連して、弁理士を講師として、1994年に初めて知的財産の特別講義を行い、2004年度には電子工学科・情報工学科の知的財産を正規科目としてスタートした。政府が掲げる知的財産立国を実現するためには、技術者の卵である学生に、知的財産を理解してもらうことが重要であると考えたからである。
 情報工学科の大貫和永教授は、「知的財産を正規科目とすることが念願であっただけに、学生の発明を特許出願できるということは、大きな弾みとなる。これを機に、学生の間に、創造することの楽しさと大切さが伝われば、ねらい通りになるのだが」と語っている。

このプレスリリースに対する問い合せ先
            釧路工業高等専門学校庶務課課庶務係青山まで 
            電話 01540−57−7203(直通)


本件ニュースリリースが、北海道新聞の一面(5月21日)に取り上げられました。
北海道新聞ウエブ版



NOTES


この資料は、下記の著作権表示をしていただければ、複製して配布していただいて結構です(商業的用途を除く)。 (C)2005 FURUTANI PATENT OFFICE / furutani@furutani.co.jp



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